学習サークル2000年2月議事録

【日時】
2000年3月13日  14:30〜16:00

【場所】
兵庫県立西はりま天文台  スタディールーム

【活動内容】
◎テキストの範囲
4章  2  銀河系の大きさと構造「(3)銀河系の大きさと構造」〜「(4)銀河系の回
転と太陽運動」まで。

◎前回までの内容
用語の説明、密度波理論の説明の補足。

◎配布物
プリント12枚

◎Abstract
今回は人数が少なかったが、ある程度のことまで、準備ができていて、説明を詳しくでき
た。配布物も多く配れ、限られた時間内でより詳しい説明ができ、テキスト以外の内容も
多く紹介できた。

◎内容
・2  銀河系の大きさと構造

(3)銀河系の大きさと構造
プリントを最初に読んでもらい、前回までの内容を簡単に説明し、前回途中までになって
いた、この節の内容を、プリントの用語説明を使って説明した。また、まとめとしては、
プリントを読んでもらった。 

(4)銀河系の回転と太陽運動
主に、プリントを使いながらテキストの内容を、より詳しく説明するようにした。視線速
度、固有運動、分子雲の種類などの用語の説明をし、恒星の固有運動、銀河の回転につい
ての説明した。また、オールトの、太陽の銀河系における回転速度を求める方法について
説明した。

・まとめ
プリントの説明していなかった部分の説明をした。密度波理論の説明もした。

◎質問
・2月(新しくでた質問)
1  球状星団は、古い天体であると言われているが、球状星団自体が古い天体なのか、別
    の天体から、年月が経つと、球状星団になるのかどうか。
							(前田さんによる質問)

◎質問の答え(答えられたもの)
・12月
2  円盤型の銀河では、回転するだけで渦の模様にならない。この事は、本当は
    どうなっているか。また、本当に回転するだけで渦の構造ができるか。

3  密度波理論についての解釈。物質が通りにくい所が波が立っているように見
    える所かどうか。

    ≪この質問に対しての密度波理論の解釈≫
    今回配布のプリントの内容です。
    ・密度波理論(density wave theory)
    物質の密度が伝わって行く現象として、音波に見られるような現象がある。特に、銀
    河の渦状腕についての波を密度波(density wave)という。渦巻銀河の腕の構造は、
    もし、渦が実際に物質でできているとすると、腕は数回転で巻き込まれてしまい、リ
    ングのような構造になってしまうと考えられる。
    しかし、渦状腕の形はバルジの大きさで決まっていて、バルジの大きさは数回転で変
    化しないと考えられているので、渦状腕の寿命も数回転以上と考えられる。この矛盾
    は、腕を、入れかわり立ちかわり通り過ぎて行く、星やガスによる波動現象と考え、
    波の伝わる速さと銀河の回転速度を区別することで回避できる。
    波自身の重力は、波を不安定化し、遠心力と圧力は波を安定化する。不安定化効果が
    安定化効果を上回ると、波が自発的に発振する。銀河の渦の模様は、銀河の質量分布
    、圧力分布、銀河回転の様子で決まる。今回配布のプリントの、Figure 4 のモード
    が、最も不安定で、波の成長率が高い。
    この波の物質の密度の濃い部分で、星形成が盛んで、O、B型星集団、HII領域が多く
    、また、この領域に、音速を越えたガスが流入すると、その衝撃波により更に星形成
    が盛んになる。このため、物質の密度の高い部分は、「腕」として明るく見えると考
    えられる。この渦状腕は、、O、B型星集団、太陽近傍のHII領域、ケフェウス座δ型
    変光星、電波観測による中性水素ガスの分布により、位置が調べられている。

・2月
1  球状星団は、古い天体であると言われているが、球状星団自体が古い天体なのか、別
    の天体から、年月が経つと、球状星団になるのかどうか。
							(前田さんによ
る質問)

    銀河系といっしょに球状星団ができた、と言われているので、球状星団自体が古い天
    体だと考えられる。

【次回の活動】
・テキスト4章  2  「(5)  銀河系の質量」〜「(6)  銀河系の構造」と、今まで
  の復習をします。
・学習サークルの担当を交代します。